★★★★
(トーマ・ヴェルナー、手紙、「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」、転入生エーリク、愛と試練)昔の漫画は、
本当にエンターテインメントとしてだけではなく、
それ自体が教養と哲学にあふれていたんだなということを再確認。
この作者がずば抜けてそういう感覚を持っていたともいえるが、
人の心の葛藤を描かせたらもう、言葉が出ない。
作者の作品は、
他に「スター・レッド」や「残酷な神が支配する」を読んだ。
そして、この「トーマの心臓」が「残酷な神が支配する」の学園部分の描写を思い出させ、
もの悲しいような思想の原点なのでは、と思ってしまう。
思春期の彼らの心の葛藤、
大人でさえ踏み込ませない純粋な闇。
その闇は果てしなく深いのに、きれいに魅せられる。
ああ、また「残酷な神が支配する」によって廃人にされそう。