★★★☆
(絶海の孤島、財閥令嬢、科学・絵画・料理・占術・工学、天才、孤島×密室×首なし死体、青色サヴァン、戯言遣い、新青春エンタの傑作、第23回メフィスト賞受賞作)◆天才が集まる島
島の外に出られない財閥令嬢が、天才を島に喚び、そこで数日過ごすという。
なぜ島から出られないのか、それは彼女の過去に起因するものらしい。
とにかくも、語り部である「いーちゃん」自身は喚び出されていないのだが、玖渚友(くなぎさとも)について、この島に来ることになるわけだ。
◆ちょいとミステリ
メフィスト賞らしく、トリックのオンパレードで、
それに注意しながら読むと面白いかもしれない。
ミステリにはつき物の密室も出てくるし、
なぜ「クビキリ」という殺人方法を選ばなければならなかったのかを考えると、
おのずと見えてくるものがある。
個人的には、登場人物たちの内情に注目しつつ読んだ。
◆天才、でも人間
彼らはあくまで人間(作者があとがきで書いたように)。
人間ゆえに殺人を犯し、人間ゆえに殺される。
でも、彼らはそこら辺にいる普通の善良な一般市民じゃないため、
とても個性的で、かつ危うい。
◆いーちゃんの葛藤
多分それは、五年前から始まっていることなのだろう。
でも読む側としては、これからこの葛藤に付き合うことになるんだろうな、と予想できる。
葛藤というか、彼は彼だからこそ今の現状や未来への自分に対して心を乱すのではないかと。
彼の心を乱すのは彼女しかいない。