伊旺レビュ

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Author:伊旺(いお)
話好きが昂じてこんな多趣味に。
各ジャンルによって★の重さが変わります。

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零崎双識の人間試験

4061823590零崎双識の人間試験
西尾 維新 take
講談社 2004-02-06

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★★★☆
(零崎一賊(ぜろざきいちぞく)、“殺し名”の第3位、殺人鬼、“自殺志願(マインドレンデル)”、波乱、双識、CD-ROM封入)


「だから私たちは一族(ファミリー)を――家族を作った。それが零崎の原点さ。匂宮や闇口とは本質的に違う」
(本文抜粋)


◆外伝
人間シリーズと銘打っている一作目。戯言シリーズの外伝。
零崎一賊の三人が出てくる。
wikiによれば、『クビシメロマンチスト』で語られる事件がひとまず終わりを迎え、いーちゃんが零崎人識と別れて(同書p352-353)から、エピローグにおいていーちゃんが玖渚友のマンションを訪れる(p356)までに起こった話、らしい。
確かにそこで哀川潤が言っている台詞からもうかがい知れる。

◆零崎
それにしても、今回でてきた双識は、零崎でありながらもどこか人間味のある人だった。
と言うとかなり語弊があるかもしれないが。
零崎のなかでは一番話しやすそうな人なのかもしれない。
思いの外妹がほしかったのか、伊織は本当に可愛がられていた(多分)。
零崎=φ(ファイ)?

◆哀川潤
改めて本書で哀川潤の怖さを実感。
知らぬところでファンを作っています。
そして、昔の逸話を聞くにつれ、いままで絶対的に味方だと思っていた根拠がなんなのかわからなくなってきた。
潤は、いーちゃんを殺さないだろうと思ったから。

結構好きな人間シリーズ。
また読みたい。

戯言シリーズ06 ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹

406182323Xヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹
西尾 維新 take
講談社 2003-07

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★★★☆
(死なない研究、“殺し名”第一位の「匂宮」、新青春エンタ)


存在理由。
存在証明。
そんな、もののために。
そんな、くだらないもののために。
それじゃあ、まるで――

ぼくと、一緒だ。

(p.447上)


◆総じて
突っ込みたくなるところが多数出てきたが、いーちゃんがやっと感情を表に出してきた巻。
ラスボスも出現。
いーちゃんと狐面との因縁や、玖渚友との話の決着はどうするのかとか、今後の展開が気になる。
時々思うが、いーちゃんって女の子じゃないよね。なわけないか。

◆不死
遺伝子に組み込まれた細胞は年を重ねるにつれ死滅していく。
それは逃れられな事実。そういう風に人間は創られている。創造されている?
テロメアがある以上、それは長くとも短くとも死の瞬間があるという証明だ。
しかし、今回は「不死身の少女」が出てくる。
彼女は本当に不死身。突然変異の種。生殖能力はなし。
でも、今回の話にはあまり関係なかった。

◆匂宮
やはり、今回は匂宮(におうのみや)兄妹が主だ。
完全な敵方となるわけでもなく、でもその生き様は少し共感できて。
いーちゃんに比べれば匂宮は直進型で、わかりやすい生き方をしている。
いーちゃん。彼は、今もなおもがき続けている。
自分をどうにかしたくて、でも生きたくて、といった混沌。
最後には決着をつけるのか。

◆世界
あと、西東天は自分を「物語の外側」の存在といっていたが、その定義は、玖渚友の解説のような世界(普通・財力・政治力・戦闘力)の外、といった意味だろうか。
それともまさか、この世界そのものの外ではないだろうな。

少年少女漂流記

4087748545少年少女漂流記
古屋 兎丸 乙一
集英社 2007-02

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★★★
(友達、学校、少年少女、妄想世界、旅、合作、迷える10代の心)


◆全体的には
思春期の少年少女たちが繰り広げる妄想と虚空の物語。
短編仕立てとなっていて、それぞれの悩みやらトラウマやらが題材となっている。
「お菓子帝国」がかわいかった。この話は一番取っつきやすい。
少年少女の時に出てくる悩みやいらだち、特有の曖昧さが際だっている。

◆ふと思う
これ、いままっただ中にいる子が読むとどう思うんだろう?
大人になりたての人でも結構ぐさりとくるところがある。
でも、気づかせられるということでもある。
最後になるにつれ、ゆるかった世界観が固められていく。

らいか・デイズ〈5〉

らいか・デイズ 5 (5)
らいか・デイズ 5 (5)むんこ

芳文社 2007-04
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らいか・デイズ 4 (4) らいか・デイズ 3 (3) らいか・デイズ 2 (2) らいか・デイズ 1 (1)

★★★
(普通、ドキドキする毎日、RAIKA・DAYS Inter mission+α、番外編「天使を待つ頃」、帯の応募券)


◆4コマって読まないのに
1巻から5巻まで一気読み。
個人的には★をもうひとつあげたいぐらい。
小学生なのに、大人より頭がいい春菜来香(はるならいか)ちゃんの日常4コマ。
といっても、周りの面々も個性的でおもしろい。

◆小学生らしい
来香をライバル視するものの、いつも勝てない竹田くん。
あまつさえ来香にほんのりとした好意を抱いているのがかわいい。
いや、行動さえも初々しい。

◆周りの面々
あと、先生の性格も好きだ。
来香に頼っているものの竹を割った性格のためか生徒に「ま、いっか」という具合に一任されている(笑)。
こういう先生だからこそ、そばにいる来香は普通に生活できるのでは。

学園アリス〈13〉

459218100X学園アリス 13 (13)
樋口 橘
白泉社 2007-05-18

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★★★
(アリスストーン作り、バレンタイン)


◆棗と蜜柑、ルカ
不器用であまのじゃくな棗も、蜜柑への接し方を少しずつ変化させて行っている。
ルカは何もアプローチしないようでいて、しっかりと言うことは言っていたんだな(笑)。
アリスストーンの伝説について蜜柑もようやく気付き、同時にルカの思いにも気付き。
しかし、「棗を助けたい」という思いから、彼へアリスストーンを渡すことにする蜜柑。
それは、彼を心配しているだけなのか、それとも彼への好意からなのか。
未だ鈍い彼女はそこら辺をまだ決めていないのかもしれない。

◆アリスの消失
今回、幼少時を過ぎるとアリスの力が消えてしまうという話があった。
アリス自体、特殊能力な訳だから、国からの寄付はすごいものになるのだろう。
その反面、家族と離れ、20歳を過ぎるまでは学園で暮らさなければいけない。家族との連絡も制限される。
どちらがいいのかはその人次第。アリスの力がなくなるのは寂しいが、なにより家族と再会できるのはうれしいだろう。
今回は、そんなちょっぴり悲しく、未来への道が開けるような話が収録されている。

陽気なギャングが地球を回す

B000FDK9U8陽気なギャングが地球を回す プレミアム・エディション
大沢たかお 伊坂幸太郎 前田哲
ジェネオン エンタテインメント 2006-10-25

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★★★
(伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説、犯罪コメディ、奇妙な能力、銀行、金)


いい感じであっさり、ポップな風味を再現している犯罪映画。
でも、伊坂さんの良さはあっさりなのになぜか好きになれるノリでもある。
さらっとしたその読後感に見せられる人は多数だろう。
今作は、その伊坂さんの同名映画。

俳優たちが個性的で、それだけでもみようかなと思ってしまう。
特に、スリの達人の子は花より男子でもでていて、これからが期待できる。

個人的には、話の展開がもうちょっとおもしろければ、と思ってしまった。

ザスーラ

B000EDWVO6ザスーラ
ジョシュ・ハッチャーソン ジョン・ファブロー ジョナ・ボボ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006-04-16

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★★★
(兄弟、ケンカ、地下室、古いボード・ゲーム、宇宙空間、予測不能な危険)


ジュマンジが懐かしくて見始める。
根本的にはジュマンジと同じく、ゲームを始めると奇々怪々な出来事に巻き込まれ、とにかくゲームを終わらせるまではそれが続く、というストーリィになっている。

最初は、ジュマンジをすでに見ていたためか同じようなストーリィ運びに退屈していたが、このザスーラの方が幾分子供向けで、兄弟のケンカからどうやって仲直りするかまでの心温まる場面も取り入れられていた。

最後には「よかったね!」「It's end.」と叫びたくなる爽快さ。
子供の時に見ると、すごく楽しめたかもしれない。

家族と、友人と、子供と一緒にみるといい映画だ。


ラブソングができるまで

B000O4Y21Uラブソングができるまで(出演 ヒュー・グラント ドリュー・バリモア)


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★★☆
(PoP、新曲製作、作詞、軽快なポップス、明るいラブコメ)


過去の栄光にすがる毎日を送っていた歌手と、歌詞を書く才能を持つ女性との出会い。

ヒュー・グラントはいつのまにかトホホな役を演じるのがうまい俳優になっている。
「ノッティングヒルの恋人」でも押しの弱い役だったが、このごろますます磨きがかかっていないか?
昔はハンサム・ガイと認識していたはずだったのに(笑)。

二人で歌詞を作り、作曲しという作業をするのは楽しそうだった。
歌について意見したり、ドリュー・バリモアの悩みを展開していく下りは深みも増す。
個人的には、ドリュー・バリモア演じる女性の心理がちょっとわかりづらいところもあった。感動屋だ。

あと、歌手役の子は、実際、本当に歌手なんだろうか。
けっこうはまっていた。



空飛ぶゆうれい船

B00008VH51空飛ぶゆうれい船
石ノ森章太郎 池田宏 野沢雅子
東映 2003-06-21

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★★★
(石ノ森章太郎原作、不気味な幽霊船、悪の黒幕、巨大ロボット、ボアジュース、侵略)


少年のヒロイックストーリィなのだが、本当はヒーローの代名詞であるロボットの方が敵方というのがおもしろい。

制作に宮崎駿が関わっているらしい。

何十年も前の映画なのに、ここまでちゃんとしたものを作っているのがすごい。
ラストは駆け足だが、ストーリィは当時では目新しいものだったのではないだろうか。

よく、炭酸飲料を飲み過ぎると「体が溶けてしまうよ」なんて冗談交じりに脅されたことがあったが、このボアジュースからきてるんじゃあるまいな。


007 カジノ・ロワイヤル

B000GQMJBQ007 カジノ・ロワイヤル デラックス・コレクターズ・エディション (初回生産限定版)(2枚組)
ダニエル・クレイグ マーティン・キャンベル エヴァ・グリーン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-05-23

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★★★★
(暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは"00(ダブルオー)"の地位に昇格、最初の任務、ポーカー、モンテネグロ、掛金1,500万ドルの監視役、美貌の女性ヴェスパー・リンド)


陰謀と謎に満ちたストーリィと、冷たい心を溶かす女性。
新生・六代目ボンドの映画。

ボンドがヴェスパに放つ"I'm yours."にしびれる。
うっわ、渋いおじさんだよ!
私自身、ジェームズ・ボンドの映画、というか作品を見るのは初めてなので、初見(予備知識なし)の感想となる。
スパイ映画ということしかわかっていなかったのでアクションのようなものかと予想していたら、結構ストーリィが謎づくし、陰謀づくしで最後まで気が抜けない。

あと、六代目ボンドが渋く、ダンディズムあふれるダニエル・クレイグというのも注目点なのかもしれない。
ほかのボンドを知らないが、この眼光はスパイっぽいなぁという印象。
多分、"00(ダブルオー)"に成り立てという設定のためか、話の途中で新米スパイみたいな描写も入る。ナイフもって殺そうとするし(笑)。

個人的に、謎だけではただのスパイ映画だし、ヴェスパとの恋(愛?)があってこそ深みが増したのではないかと。

次もこんな上質なストーリィなら、是非みてみたい。


妹の恋人

B000IU392S妹の恋人〈特別編〉
ジョニー・デップ ジェレマイア・チェチック メアリー・スチュアート・マスターソン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006-12-01

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★★★☆
(両親、心、病、自分の殻、不思議な青年、恋)


精神的な痛みと、純粋な恋を描いた映画。

ジョニー・デップ出演の映画で「シザーハンズ」は有名だが、これは見たことがなかった。
当時30代。
とてもじゃないがその年には見えないほどの美青年だ。
しかし演じるサムは風変わりで、すごいんだか抜けてるんだかわからない役柄。
ジョニー・デップが演じると、なぜだかハマリ役と思ってしまうから、彼への印象というのはこんな感じで固定されてしまっているのだろうか。
さすが演技派と思ってしまう。

精神を病んでしまっているジューンと出会い、ただかんしゃくを起こして兄との諍いが絶えなかった生活が一変し出すところがいい。
重い映画だけど、ぷっと笑ってしまうところもある。

ホリデイ

B000R17JLAホリデイ
キャメロン・ディアス ナンシー・メイヤーズ ケイト・ウィンスレット
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2007-08-09

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★★★☆
(ホーム・エクスチェンジ、2週間のクリスマス休暇、作曲家、兄、ラブ・ストーリー)


愛にあふれた、ラブストーリィ。
一人でいることが寂しくなったり、
恋人とけんかしたりと何かに迷ったときにみるのもいいかもしれない。

キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットが、
自分の精神安定のために短期間のホーム・エクスチェンジをする。

日本では考えられないけれど、ここは外国の醍醐味というか。
別荘でもなく自分の家をチェンジするわけだから、確かに相当の気分転換になる。

話は、恋愛が主軸で、彼女たちが立ち直っていく道筋に沿っている。
個人的には、アイリスが彼から断ち切れたことは彼女がこれからちゃんとした道を歩き出せるという点で大賛成だし、
アマンダがアイリスの兄との答えを出したのは、これから違う彼女、いや、元のアマンダ・ウッドを作っていく上で大切なことだろう。


戯言シリーズ04 サイコロジカル 兎吊木垓輔の戯言殺し 曳かれ者の小唄

4061822837サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し
西尾 維新 take
講談社 2002-11

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4061822845サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄
西尾 維新 take
講談社 2002-11

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★★★☆
(死線の蒼、玖渚友、兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)、研究所、救出、戦慄)


だけれどこのとき、確実にスイッチがはいったのだ。この僕と、この玖渚友との、遅すぎた始まりを告げるスイッチが、六年越しにオンになった。
(上巻p.244上)


明らかにしない部分があるため、さらっと読んだだけでは全体を見通すことは難しかった。
個人的には今までの中で一番読解力がいる巻ではないかと。
でも、こういう手法の方が個人的には好き。

◆仲間(チーム)
玖渚友が結成し解散したチーム。
その元チームの兎吊木垓輔がでてくるから、語られなかった玖渚友の過去がちょろっと出てくる。
この人たちの話もいつか出てくるのかな。

◆兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)
何を考えているのかわからない印象。
でも、4作目・サイコロジカルで初めて出てきた登場人物たちの中では、一番好きでもある。
天才は10代、20代でその才能を発揮し、30代ではその過渡期ということになっているが、彼にそれが当てはまるのか、読後思ってしまった。
天才はどこまで行っても天才?
ていか天才言ってると違和感出てきた。

◆好き、嫌い
「玖渚友は好きか?」と問われると「ちがう」と即答。
なのに、「友、好きだよ」とは彼女に言う。
「玖渚友は嫌いか?」と問われると無言で返す。
なのに、自分の中では答えがなかったり。
いーちゃんはやはり問題解決の途中なのかと思ったが、ふと考えると彼は春日井春日のように「答えを出さない」主義だった。
つまり、好きだろうが嫌いだろうが、玖渚友とは一緒にいる、ということでいいのだろうか?
それとも、彼女に関することは、違う彼女を知ってからということになるのか。

◆始まりの終わり
私は読んでいる一瞬、作者はこの巻で終わらそうとしているのでは、と思ってしまった。
いままであやふやにしてたものが見えてきた気がして、一足飛びに解決へと向かうのか、と。
でも、どうやら問題提起がなされただけ。
これからが本番なのだろう。

しっかしいーちゃんと哀川潤との関係って何なのだろう……。
ううむ。


戯言シリーズ03 クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子

4061822675クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子
西尾 維新 take
講談社 2002-08

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★★★
(学園、拘禁、人類最強、請負人、私立澄百合(すみゆり)学園、《首吊高校(クビツリハイスクール)》、殺戮)


ぼくは誰にも何も施さない。
だから、何も受け取らない。
ありとあらゆるものを拒絶する。それが……このぼくに残された最後の矜恃だったはず。
(p.84下)


◆哀川潤との共同戦線
1巻では終盤に出てきて「この人すごい」という印象をかっさらい、2巻では後ろでなにやら暗躍してたらしいという記憶しかない。
この巻ではいーちゃんとほぼ行動をともにするためか、彼女について詳しくわかる。
なぜ「人類最強」なのかも。
格好いいお姉さんなのだけど、たぶんそんなことをこの哀川潤にいったら「あんがとさん」とかいって軽いハグをしてくれそうな気さくさがいい。
敵はすべからく彼女が身内に甘いと知っているのに、それで陥落できないんだよな。
強いからこそ、自分に甘さを作ることができるというのがすごい。

◆いーちゃんの過去の断片
いーちゃんは何やら過去の断片を思いだし、自分の矜恃も思いだし。
五年前、彼と玖渚友との間に何かあったことは1巻からの予備知識。
好きとか嫌いとか以前に、この二人は、というかいーちゃん側からはなにやら鬱屈とした悩みがあるらしく、それに一応の決着を見せない限り、この彼の話は終わらないのではないかと思おう。
そこらへん、玖渚友は突き抜けちゃってて、すでに結論を出した上で行動してそうなんだけれど。

◆ミステリではない、けれど
今回は密室などの課題が出てくるが、それを中心としてみているのではなく、「救出劇」「真相」を楽しむものだ。
独特な登場人物たちを描いていて、ちょっとしか出ていないのに忘れないキャラもいる。玉藻ちゃんはなぜあんなにも強烈なんだ。
一緒に暮らす兄弟やみいこさんは、これから本編には直接絡んでこないのかな?


学園創世 猫天!〈1〉

文字色
4253232612学園創世猫天! 1 (1)
岩原 裕二
秋田書店 2007-05

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★★★☆
(封印、叉美学園、大妖怪“火焔”、“双籠の姫”、不思議な力、猫、ドラマチック・アクション)


◆新作!
「いばらの王」から読み始め、岩原裕二さんのSFっぽいファンタジーのファンになった。
今回は、化け物・火焔が眠る学園が舞台。
火焔の封印が解け、戦いへと。

◆カンスケ
カンスケの願いとは何だろう?
そもそも、願い事はかなうのだろうか。
カンスケの額に傷を負わせた事件が、それに関係するのか。

戯言シリーズ02 クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識

4061822500クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識
西尾 維新
講談社 2002-05

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★★★☆
(前作から二週間後、京都、級友、連続殺人鬼、人間失格・零崎人識)


◆友情、恋情、殺意
今回は、その狭間で葛藤する人間の心を描いている。
だれのことを言っているかは読了後にわかるだろう。
誰か大切な人がいたとして、その人にも大切な人がいて。
連鎖は、どんどん悪循環を生んでいる。
例のごとくいーちゃんはまったく感知無し。
でも、彼にも友人はいて、好きな人もいる。
そこが零崎人識と違うところだろうか。

◆いーちゃん
とにかく、ケガ多い!
というかほとんど自分でやったのでは。
あと、玖渚友はほとんど出番無し。
いーちゃんの大学生活を垣間見れる。

◆零崎人識
新キャラ。
いーちゃんに似ているのは伏線?
殺しをしないとは本当だろうか。
ヒューストンに言ったのもこれからに関係したりして。
再び出会うときは敵となるかもしれない。
なぜか、占い師の顔が浮かんだ。


戯言シリーズ01 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

4061822330クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
西尾 維新
講談社 2002-02

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★★★☆
(絶海の孤島、財閥令嬢、科学・絵画・料理・占術・工学、天才、孤島×密室×首なし死体、青色サヴァン、戯言遣い、新青春エンタの傑作、第23回メフィスト賞受賞作)


◆天才が集まる島
島の外に出られない財閥令嬢が、天才を島に喚び、そこで数日過ごすという。
なぜ島から出られないのか、それは彼女の過去に起因するものらしい。
とにかくも、語り部である「いーちゃん」自身は喚び出されていないのだが、玖渚友(くなぎさとも)について、この島に来ることになるわけだ。

◆ちょいとミステリ
メフィスト賞らしく、トリックのオンパレードで、
それに注意しながら読むと面白いかもしれない。
ミステリにはつき物の密室も出てくるし、
なぜ「クビキリ」という殺人方法を選ばなければならなかったのかを考えると、
おのずと見えてくるものがある。
個人的には、登場人物たちの内情に注目しつつ読んだ。

◆天才、でも人間
彼らはあくまで人間(作者があとがきで書いたように)。
人間ゆえに殺人を犯し、人間ゆえに殺される。
でも、彼らはそこら辺にいる普通の善良な一般市民じゃないため、
とても個性的で、かつ危うい。

◆いーちゃんの葛藤
多分それは、五年前から始まっていることなのだろう。
でも読む側としては、これからこの葛藤に付き合うことになるんだろうな、と予想できる。
葛藤というか、彼は彼だからこそ今の現状や未来への自分に対して心を乱すのではないかと。
彼の心を乱すのは彼女しかいない。

フライトプラン

B000CS44YIフライトプラン
ジョディ・フォスター ロベルト・シュヴェンケ ショーン・ビーン
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-05-24

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★★★☆
(夫、死、6歳の愛娘、最新鋭の旅客機、痕跡、邪悪な陰謀)


夫を亡くし、その棺を飛行機に乗せ、娘と一緒にニューヨークへと発つ。
しかし、その娘が飛行機内で忽然といなくなった。

娘は、本当に母親と一緒にいたのか?
そもそも飛行機に乗っていないのではないか?
いや、娘はすでに死んでいる?

そういう葛藤をせめぎあわせながら見る映画だった。
ふつうの飛行機アクションものなら、
ハイジャックだの爆弾だのとにかく「敵をたおせ」という雰囲気になるのに、
これは、そういうのとは前提が違う。

犯人がわからない。
そもそも、事件があったのかがわからない。
自分がおかしいのかもしれない。

娘は、いなかったのかもしれない。

最後まで見ると、納得できる終わり方だったので、
一応胸をなでおろしている。
鑑賞後は結構すっきりする。
最後のほうが簡単にいきすぎだなとは思うけれど、面白かった。

パプリカ

B000O58V8Oパプリカ
筒井康隆 今敏 林原めぐみ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-05-23

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★★★
(医療研究所、夢、DCミニ、事件、美人セラピスト、夢探偵“パプリカ”)


病んだオモチャ帝国という印象。
夢を渡り歩いて事件を解決していくのが大筋で、
その背景には人間の「妄執」と「希望」が混泥している。

オモチャというところから、
子供も対象としたアニメなのかと思ったが、
これは完全に大人に向けたアニメだ。
大人の持っている闇をさらけ出し、
それをどうにか希望へと変えていっているような。

最初はサイバー的なところから、
甲殻機動隊のようなものかと想像したが、
ちょっと印象が違う。
甲殻機動隊が切れ味のよいカクテルやスカッシュなら、
パプリカはミルクを入れたてで混濁し続けるコーヒーという感じ。
その世界に飲まれてしまう。

アニメとしては凄い出来なので、そういうのに興味のある人にお勧め。


・どうも描写が馴染めないというか、胸焼けするなぁ。
はっきり言うと、気持ち悪いと思ってしまう。
これは、現実に基づいたと思い込んでいる「男性の夢」ではないか。

To LOVEる〈4〉

4088743709To LOVEる-とらぶる 4 (4)
矢吹 健太朗 長谷見 紗貴
集英社 2007-06-04

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★★☆

ララの花の趣味はちょっと偏っているようだ(笑)。
どこかで見たことのあるような花だな。

今回もどたばた話が多い。
矢吹先生、絵が上手くなった?


学校のおじかん〈9〉

4088461096学校のおじかん 9 (9)
田島 みみ
集英社 2006-11-24

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★★☆

一緒に8巻も読了。

かわいいポップ絵は健在。
陸はなんとか告白をするけれど、
それに答えないのはなぜだろう。
やきもちまで焼いているのに(笑)。

仁美や元カノとの水泳など、恋愛模様が混戦している。
でも、やはり彼らはかわいい。




B型の彼氏

B000F3NUTAB型の彼氏 スタンダード・エディション
イ・ドンゴン チェ・ソグォン ハン・ジヘ
角川エンタテインメント 2006-06-09

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★★☆
(わがまま、B型男、ラブストーリー、純粋な女子大生、恋、身勝手な行動)


血液型は関係ない、といいつつもなんとなくその情報に左右されがち。
それが実際のところだろうか。
でも、この映画を見終わると、血液型というよりその人の性格という気もしてくる。

放蕩者を演じさせるとなぜかしっくりくるイ・ドンゴンが演じているのがいい。

こういう男性って意外と多いのかも?

V・B・ローズ〈9〉

4592181697V・B・ローズ 9 (9)
日高 万里
白泉社 2007-04-19

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★★☆

◆ブライダル・フェア
ウェディング・ドレスの制作から、ちょっとした事件など。
仕事をちゃんとこなす感じがいいなぁと共感。
「職人」露と黒峰の掛け合いがいちばん好き。
恋する10代の女の子に向けた、ほんわかラブ・ストーリーという感じ。

・淡々と進んでいくからちょっと食傷ぎみ。
このまま面白みもないのもなんだかなぁ。

P2!-let’s Play Pingpong!〈1〉

4088743334P2!-let’s Play Pingpong! 1 (1)
江尻 立真
集英社 2007-03-02

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★★★☆
(超運動音痴、中学進学、運動部、卓球部、才能の片鱗、成長物語)


ちょっと 夢見ただけ
そんな事 あり得ないのに
あんなふうに動けたら きっと気持ちいいだろうって


◆スポーツ好き
少年漫画といえば「スポーツ!」といいたくなる。
けれど、どのスポーツにも向かない、得意の絵でもスポーツを描くと躍動感がないといわれ、とにかくスポーツと縁がない主人公・ヒロム。
そこまでしてスポーツがしたいか!といいたくなるが、人間、やりたいものができないとなると無性にあこがれるよな。

◆戦うこと
どの戦術にもいえることだけど、諦めたりヤケになったり守勢に入るのもだめ、とにかく「戦うこと」を選ぶのは、最大の防御らしい。
一番難しいだろうけど。
戦力は関係なく、その人の精神や心根に関係するし、極限状態で、それを示せる人は本当に少ない。


・新人漫画家のようだけど、漫画を描いてる暦は長そう。

はちみつの花〈1〉

4592188470はちみつの花
木内 たつや
白泉社 2006-08-18

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★★★

◆使用人とご主人
文明開化の時代を舞台にするのはあまりないから、結構楽しんで読める。
設定はありがちで、新人さんだなあと思うときもあるけど、その初々しさがまたいい味出しているような。
なんとはなしに二人の恋路を応援してしまう。

◆ラン
今のところ彼は千歳を好きなんだなあ、と思うけど、それがいまいち信憑性ないので(笑)、これから描かれればいいなと思われる。
多分恋敵とか出てくるんだろうな。

ヴァンパイア騎士〈5〉

4592183053ヴァンパイア騎士 5 (5)
樋野 まつり
白泉社 2007-04-05

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★★★☆

◆優姫
純潔種が「今は」脅威とは思わない優姫の存在。
でもそれは、いずれ覆される可能性がある。
それに気づいた枢(かなめ)は、彼女を守りたいがために閑の力を得る、と。
純潔種よりも勝る存在とは何?

◆零
彼の葛藤がほんとうにむずがゆくて、幸せになってほしいと思ってしまう。
個人的には枢(かなめ)が好きなのに、優姫と零が結ばれるんだろうな、とも。
でも、枢(かなめ)も望んでいるものはあるはずだし(それを想像し、結末への道筋を描くと泣きそうになるんだけど)、
零だってそう簡単にこのしがらみからは逃れられないだろうし。
まだ目をさまさないまり亜も気になる。

ヴァンパイア騎士〈4〉

4592183045ヴァンパイア騎士 4 (4)
樋野 まつり
白泉社 2006-10-05

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★★★☆
(謎の編入生、衝動、疑惑、血薔薇の銃)


◆紅まり亜
の正体が零を吸血鬼においやった緋桜閑というのは、安直過ぎる気がするなあと思っていたら、どうやらそのままの彼女ではないらしく。
彼女の目的は、復讐だけなのか。
ハンターである零の家族が恋人を葬った、というならば、彼らを崩壊へ追いやったのが復讐というのもわかる。
でも、本当にそれだけのために今動いているのか。
枢(かなめ)も学園へ来た理由が閑と一緒だと言ったし、優姫への思いとともに、彼にもなにか理由があるようだし。

◆片割れ
閑が零の家族を葬った過去の崩壊の場面、真相がわかる。
それと同時に、新たなキーパーソンが。
この人物が現れたことにより、ラストの悲しい要素が増えた気がする。
そもそも、零は何もかもに絶望していて、優姫に好意を持っていても表に出そうともしない。
彼が彼らしく暮らせるようになるには、やはり全てが解決してからなのか。

マイ・ボス マイ・ヒーロー2

B000B63GMMマイ・ボス マイ・ヒーロー【字幕版】
チョン・ジュノ ユン・ジェギュン チョン・ウンテク
ジェネオン エンタテインメント 2005-10-21

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★★★☆
(暴力団、高等学校、師範大学校倫理教習生)

原題「闘師父一体 My Boss, My Teacher」。
どうやら、この作品はヒット作『頭師父一体』(マイ・ボス マイ・ヒーロー)の続編となるらしい。
4年ぶりの続編にもかかわらず、前編の出演者たちが再集結するというのがすごい。
個人的には、「春のワルツ」のハン・ヒョジュが出ているので、ぜひ見てみたかった映画。
笑いとハチャメチャな展開を楽しみ、ひと時の悲しみを感じる作品。

永遠の片想い

B0002UOJ3C永遠の片想い
チャ・テヒョン イ・ハン ソン・イェジン
タキコーポレーション 2004-12-03

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★★★
(『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョン主演、純愛ラブストーリー、夏の日、3人の男女、友情、恋心、悲劇)


一目ぼれから恋が始まり、友達づきあいとして3人で過ごすようになる。
守ってあげたくなるソン・イェジン、元気溌剌のイ・ウンジュ。
この二人はいい感じで対照的に演じてる。
その間に、嫌味のないチャ・テヒョン。

最後まで見なかったら、優柔不断な男性の恋物語だと思ってしまっただろう。

ラスト十数分でどんでん返しがあり、ああそうかと納得。
最後も、悲しいけれどきれいな終わり方だった。

これを見て思うのが、病人は病人らしいわけではないということ。
一人一人の思い、葛藤があって、自分の病と立ち向かっていくのだろう。